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音の重ね合わせによる効果
    いくつかの違った音階の音を同時に鳴らすとハーモニーが生まれ、楽器の音や表情が豊かになります。 また、違った楽器どおしを同時に鳴らす事で新しい音色を作り出す事が出来ます。 作曲をする時は、ついつい、楽譜や音符だけを見て考えてしまいがちですが、 音楽で大切なのは楽器の音が聴く者に与える印象です。

    音楽で伝えたいイメージをダイレクトに聴く者へ伝えるためには、楽器の音色について深く考える必要があります。 様々な音色の作り出し方と効果を知っているかどうかが、作曲家の力の見せ所といってもよさそうです。 楽器同士の重ね合わせはもちろん、音程の重ね合わせによる音色の効果も忘れてはなりません。

    音の重ね方による効果は以下のように分類する事が出来ます。

    1.音色の作成(4種類)
    2.表情の作成

    実際の音楽ではこの両方が使われます。
1-1) 音色の作成(完全ユニゾン)
    ピアノとかギターとかドラムとかの楽器の音の違いを音色と言います。 音楽を作る時はそれらの楽器の音の違いを意識して、パートを割り振ります。 リズムであればドラムで演奏し伴奏はピアノ、メロディはボーカル。のように。

    楽器にはいろいろな種類があり、曲の内容にふさわしい楽器を選ぶ事が、 作曲においてとても重要で、作曲のセンスに大きく影響すると思います。

    曲のイメージにぴったりの楽器が存在しなかった場合は、 どうしたら良いのでしょうか。そいう場合に、違う種類の楽器と楽器を同時に演奏し、 新しい音色を作り出すのです。この時楽器と楽器は全く同じ楽譜を演奏します。 これをユニゾンと言います。楽譜で書くと以下のようになります。



    良くある組み合わせとしては、ピアノとストリングス。 トランペットとストリングス。 等があります。ビブラフォンとフルート。といったものでも良いでしょう。 楽器のアタック部分の雰囲気と余韻の部分の雰囲気、 を考える事で新しい楽器の音色を生み出す事が出来ます。

    例外としては、音程の不明確な楽器どおし、例えば、シンバルとバスドラムという組み合わせや、 パーカッションとピアノといった組み合わせもありますが、 これらパーカッションと楽器を同時に、同じ音符のタイミングで演奏すると不快感が生じます。 しかし、曲中での瞬間的であれば、その音色は大きな効果を作り出しますため無視できません。 音程の不明確な楽器も、音色を作る重要な要素と考えてもよさそうです。

    楽器の重ね合わせは、音楽でかなり基本的な考えになります。 和音とかの知識よりも、いかにして、イメージに合う音色を作り出すかのほうが重要です。

    何しろ、音色を聞けば、すぐにその曲や曲が表現したい事を瞬間的に音楽を聴く者に伝える事が出来るからです。 カスタネットだけで、ロックを演奏しても、全然意図は伝わらないでしょう。 作曲は音符や音階で考えがちなので、音色が聴く者に与える印象を忘れがちですが、 音色を正しく選べなければ、作曲家が思うとおりの感覚を聴く者に与える事は不可能です。

    オーケストラのような豪華な曲では、たった1つのパートを複数の楽器が同じ楽譜を演奏するというのが、 基本スタイルとなります。これにより豊かで豪華な感じを出すと同時に音量を整えています。 オーケストラは複雑なメロディや和音を沢山重ね合わせているわけでなく、 1つのパートを同時にいろいろな楽器が同じ音階で鳴らす事によって様々な印象を作り出しています。

    DTMでの考慮について

    DTMとは本物の楽器ではなく、コンピュータ上で音を鳴らし作曲をする音楽の事ですが、 DTMでユニゾンを演奏する場合には同じ種類の楽器を使って同じ楽譜を同時に演奏してはなりません。 本物の楽器では微妙な音色の違いによりアンサンブルが出来ますが、 DTMの場合、全く同じ音色の波形が重なり合い、不快感のあるサウンドが鳴ってしまいます。 しかし、微妙に楽器の周波数をずらして重ね合わせる事で、この問題を回避でき、 透き通ったような美しいサウンドを得る事が出来ます。
1-2) 音色の作成(オクターブユニゾン)


    オクターブとは、高いドと低いドといった同じ音階名でありながら、高さの違うものの関係を言いますが、 それらの音程を重ねるとオクターブユニゾンになります。

    考え方としては普通のユニゾンと同じで、音色を作るために使いますが、 音に鋭さや厚みを出すという効果が付け加わります。 威厳のある感じや力強さ、堂々とした感じ、厳しさ、鋭さ、緊張感、といったサウンドの迫力を強化するのに使用します。

    バスドラムとベースとディストーションミュートギターで迫力のあるロックサウンドが作り出されますし、 オクターブユニゾンでディストーションギターを鳴らせばヘビメタのような鋭い感じが作り出されます。 オーケストラの豪華な響きは、複数のオクターブが同時に鳴る事で作り出され、 オルガンの厳格な響きも、フルートのようなシンプルなやわらかい音色が複数のオクターブで演奏される事によって、 作り出されています。

    ホルンやトランペット系はオクターブユニゾンによる演奏によって金管らしい響きになりますし、 バイオリン系をオクターブユニゾンで演奏する事で、ストリングス系の楽曲になります。 ピアノでは音域の高い部分でオクターブユニゾンをすれば、気品のある良くある感じになります。

    楽譜の音階は全く同じで、オクターブだけずらしたものを同時に鳴らすことで、これらの効果を得る事が出来ます。 作曲において、当たり前すぎるくらい基本的かつ重要なのがオクターブユニゾンです。 オクターブユニゾンにする事で、よく耳するような楽器の音になるのです。 楽器の音がしょぼいという訳ではありません。
1-3) 音色の作成(パワーコード / 5thサウンド)


    ハードロックでは、パワーコードを使ってギターのリズムフレーズを演奏します。 完全5度上の音程を重ねる事によって、迫力のある厚みのある音色を作り出しています。 音階で言えば、ドとソを同時に鳴らせば、パワーコードのサウンドが得られます。

    音色を新しく作るというよりは、 ある楽器の音色感を強調し、音に厚みを出すという用途で使われる事が多いと思います。 通常、複数の楽器ではなく、1つの楽器で2つの音階を同時に鳴らして演奏します。

    DTMで楽器名に 5th と書かれているものがありますが、 あらかじめ完全5度上の音程を重ねた音色である事を示しています。となっています。 そのような音色を使用すると1つの音階を鳴らすだけでパワーコードで音が鳴る事になります。
1-4) 音色の作成(スーパーパワーコード) ftn 用語


    オクターブユニゾンとパワーコードを組み合わせ、それらを同時に鳴らすことで、 オーケストラのような大迫力の演奏をする事が出来ます。注意点としては自然倍音列にしたがって、 それらの音程を重ね合わせなければ、スーパーパワーコードのサウンドは得られません。 安定して堂々としたしっかりとした印象はプロの曲を連想させるものがあります。

    それもそのはずで、そもそも音楽は、自然倍音列を各パートに分解して演奏したものであるからです。 ただ、やみくもに、いろいろな音階を重ね合わせれば、良いというものでなく、 物理法則に従って、音階を重ねた時に、調和の取れたしっかりしたサウンドが得られるのです。
表情の作成
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