ある決められた音程幅だけで曲を作るという練習曲です。 2009年頃に ftn 作曲方法として公開したやつを再公開です。

ある音程からある音程までの幅を半音数で考え、決まった幅の音程移動だけによって作った曲です。 同じ音程の連続やオクターブのジャンプは行って良いものとしています。

こうして作成した曲を聴くと、特定の音程幅についての音の印象を知る事が出来ます。 DTMで採用している平均律の音律が前提となっていますが、 ftn 曲の全てはこの理論が基本となっています。

※ ここで公開している全ての曲は ftn に著作権があります。

音程幅 (+4/-4/+3/-3) 本題に入る前に(無調音楽の考え方)
    04-03.wma

    音程幅3と4で作った応用曲です。 この3と4の混合は24の調の全てをミックスした無調音楽の雰囲気となります。

    個人的に、この曲の響き、かなり気に入ってしまったので、この曲だけオーケストラ音源を使って演奏させてます。

    この曲は、音程幅、0、3、4、だけを使用して作られています。 1、5、7、を使用していないため無調音楽的な響きとなっています。

    0はリズムとオクターブの使用を許可する事を意味します。 実際12がオクターブですが、オクターブが使えないとソロになってしまうので ftn 理論では、 12は0として簡略化しています。どんな曲でも0は暗黙のうちに含む。とします。 曲の表記が3、4、なら、実際は、3、4、0、12、を使用して作成している事を意味します。

    もし、この曲に、1、5、7、を加えたら、良く知られる音楽理論の響きになります。 現代音楽では0〜7の音程幅を複合的に使って曲を作ります。

    以降では、それぞれ1つだけの音程幅を使った曲を作ってみましたので、 音程幅が持つ雰囲気を楽しんでみてください。
音程幅 (+0/-0) リズム
    同じ音程の連打となります。完全にリズムだけの世界になります。 音程としての性質は「 透明 」。単にリズムのセンスだけになってしまうため、特に曲にはしてません。

    0の幅の印象は、何かが起こりそうな緊張感や息苦しさといった、嵐の前の静けさ的な雰囲気を持っています。 まっすぐ進んでいくイメージもあります。音楽の基本単位でなので、音楽ならば必ず0を含みます。 音程幅12はオクターブとなりますが0の幅と同じと考えます。
音程幅 (+1/-1) 半音
    とてもスピーディーな感じの印象です。空を飛ぶような疾走感のある雰囲気だと思います。 酔った感じの雰囲気も持っています。中に浮いた感じがするため着地して安心したいという効果を持っています。

    楽譜で打ち込むのが大変なので作ってません。 今度、鍵盤で演奏して録音したいと思います。
音程幅 (+2/-2) 全音
    02.wma

    やわらかな空気のような印象です。メロディの基本移動で使用する音程幅です。 流れを作るイメージ。
音程幅 (+3/-3) マイナー
    03.wma

    薄暗い洞窟とかダンジョンのような雰囲気。何かが出てきそうな雰囲気。 頼りない感じ。不安感。
音程幅 (+4/-4) メジャー
    04.wma

    緊張感があって不思議なエネルギーが湧き出てくるイメージ。 力強い感じ。
音程幅 (+5/-5) 完全4度
    05.wma

    進ませる力。この先に何かありそうなイメージ。将来への期待感や希望を感じる雰囲気。 前進しようとする力を持っています。 しっかりした曲っぽい雰囲気もあります。音楽的に重要な音程幅。心の速度制御。
音程幅 (+6/-6) 無調
    06.wma

    無生物な感じ。命を感じない。グレーとかダークなイメージ。廃墟。
音程幅 (+7/-7) 完全5度
    07.wma

    停止させようとする力。そろそろ終わりそうな予感。エンディングが近い感じ。 音楽ではこれ以上の音程幅はなく最大の盛り上がり。これ以上の盛り上がりは無い。音楽的に重要な音程幅。心の速度制御。
音程幅 (+8/-8)
    08.wma

    怪しい雰囲気。夜の空気感。
音程幅 (+9/-9)
    09.wma

    古代文明。原始。 オクターブの幅に近くなっていくため、リズム的な要素が強くなってきます。
音程幅 (+10/-10)
    音程幅がありすぎて、曲としても作りにくいです。
音程幅 (+11/-11)
    音程幅がありすぎて、曲としても作りにくいです。
音程幅 (+12/-12)
    オクターブです。オクターブは1つの曲で複数音域での同時演奏を許可します。 ftn の理論では12は0に含まれるものとして簡略化します。
まとめ
    ひととおりこれらの曲を聴いてから、普通の曲を聴いてみてください。 その美しさと豊かさに感動すると思います。

    初めて曲を作って、メロディや曲がぱっとしないという事があると思いますが、 これらの無調音楽を聴くと、作曲する時に一番良い感じになる音程をちゃんと選べるようになるかもしれません。 どの音程幅も、使う場所や使い方によっては、輝き持たせる事ができるので、いろんな音程変化が好きになってくると思います。

    ここで公開している曲は、曲中での音程幅が全て同じなため無調音楽的な雰囲気はどれもします。 しかし、不思議と、こうした理論で作った曲は、かっこよさみたいのが出てきます。

    話がそれますが、西洋の音楽理論とかも、それを使って理論どおりにする事でしっかりしたプロっぽい印象の曲になります。 現代曲では、むしろ理論を崩す事で、やわらかくしたり、ゆったりと聞きやすくしていますが、 重要なポイントとなる箇所ではちゃんと理論どおりになるよう引き締めが入っています。 そうした、ゆるみと引き締めによって飽きない曲が作られています。 理論とはそうした引き締めの道具であると考える事が出来ます。肝心な所で使ってこそ価値が出るわけです。 「 かっこよさ=引き締め 」です。 話を戻します。

    音程の雰囲気に合わせて、より雰囲気を強調できる楽器やリズムを選んでいますので、 そっちの雰囲気の影響のほうが大きいかもしれませんが、 なんとなく漂っている空気は音程によるものなので、そこらへんを聞き取ってみてください。

    どの音程幅の曲も作り始めは全部同じ楽器を使用していますが、徐々に発展しよりふさわしいと思う楽器を選んで、完成させています。 もしかしたら、音程幅を聴くとき一人ひとり違う印象を持っていて、それが最終的に、個々の作曲者の雰囲気になっている可能性もあるかもしれません。

    現代音楽では、0〜7の音程幅を複合して使いますが、 主に0、2、5、7、を使って曲を作ります。アクセントや表情付けとして1、3、4、6、を使って曲を豊かにします。 0、2、は音楽を刻み、1、5、7、は進行を変化させるために使用します。

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